宙旅ガイドの覚え書き

素人による素人のためのぼんやり宇宙ブログ

ロケットの基本

星座に銀河に惑星と様々な側面を持つ宇宙ですが、『宇宙開発』となると真っ先に思いつくのがロケットという言葉。


細くて長くて大きくて、ものすごい炎と煙を出しながらあっという間に空へと飛んでいくアレです。

ニュースやテレビなんかでよく耳にする言葉ですが、そもそもロケットって一体何なのか疑問に思ったことはありませんか?

 

というわけで、今回はロケットの基本について調べてみました。

 

 

意味と語源

 

宇宙にさほど興味のない人でも、一度は聞いたことのあるロケットという言葉。

ロケットといえば宇宙に打ち上げられるアレを思い浮かべがちですが、ロケットランチャーやロケット花火など直接宇宙に関係なさそうなものにも使われてますよね。

 

なので、まずはロケットという言葉の意味について調べることにしました。

 

ロケットの意味は、『噴出するガスの反動で前進する装置および飛行体』

 

早速、辞書で調べたところ、こんなことが載っていました。

 

ロケット【rocket】

読み方:ろけっと

推進剤燃焼させ、噴出するガス反動によって前進する装置また、それで推進される飛行体

ロケットサラダ」の略。

出典元:「ロケット」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書

出典URL:https://www.weblio.jp/content/ロケット

 

つまりロケットとは、噴出するガスの反動で前進する装置や飛行体全般を指す言葉のようです。

必ずしも宇宙に限定した言葉というわけではないみたいですね。

 

ちなみにロケットの語源は、イタリア語の【糸巻き(rocchetto)】が由来とのこと。

イタリアで打ち上げられたロケット花火の形状が、ちょうど機織りの紡錘の形に似ていたからなんだそうです。

 

 

役割について

 

ロケットという言葉の意味についてなんとなく理解できましたが、そもそもロケットって何のために打ち上げているんでしょうか。

わざわざ高い費用をかけて打ち上げるのだがら当然何かしらの目的はあるんでしょうが、改めて訊かれると正直謎ですよね。

 

では、次はロケットの役割について調べてみましょう。

 

 

ロケットの役目は、宇宙へ荷物を運ぶこと

 

ニュースや新聞なんかを見るとやたら打上げのことばかり取り上げられているのでてっきりロケットを打ち上げること自体が目的のように感じてしまいますが、実はロケットそのものはあくまで手段で人工衛星などの荷物(ペイロード)を宇宙に送るのが目的です。


身近なもので例えるなら、街中を走る宅配トラックみたいなものでしょうか。

実際に、ISS(国際宇宙ステーション)へ物資を届けたコウノトリは『宇宙の宅配便』と言われたそうです。そう考えると、なんだか親近感が湧いてきますね。

 

ただ宅配トラックと違って、こちらは一度送り出したら帰ってこないのが大きな違いです。

 

衛星から人間まで


ロケットの役目は宇宙へ荷物を届けることですが、運ばれてくる荷物(ペイロード)にも様々なものがあります。


宇宙開発でお馴染みの人工衛星に始まり、惑星探査機やコウノトリのような物資補給機、さらにクルードラゴンといった有人宇宙機などなど。

これらの機器についても詳しく調べていきたいところですが、どちらも補足として付け足すには奥が深すぎるのでまたの機会にでもお話しできればと思います。

 

 

起源と歴史

 

言葉の意味に役割と、ロケットについて少し理解度が上がってきましたね。

 

もちろんざっくりと把握する分にはこれだけでも十分ですが、せっかくロケットへの理解度が深まったところですし歴史についても少し触れてみましょう。

 

ロケットの起源は、中国の古い武器

 

ロケットの歴史は意外と古く、12世紀前半に中国で火薬を詰めた筒を添えて飛ばす矢が作られたのが始まりなんだそうです。

その後、ヨーロッパに伝わり兵器として実用化されたのが16~19世紀(文献によって異なる)。さらに、今のようなロケットが作られたのは19世紀からとのことです。

 

ペンシルからH3へ

 

日本国内の話になりますと、日本最古のロケットは1955年に打ち上げられた糸川英夫氏のペンシルロケットです。

 

それから1970年に日本初の人工衛星おおすみを載せたL-4Sロケットが打ち上げられたのを皮切りに、より大きなM-Ⅴロケットなどの『ミューシリーズ』

さらに大型化したH-ⅡロケットH-ⅡA・H-Ⅱ Bロケットと続き、最新のH3ロケットへと進化してきました。


ちなみに液体燃料が使用される以前は固体燃料を使用していましたが固体燃料ロケット=液体燃料ロケットの旧式ということはまったくなく、鹿児島県の大隅半島にある内之浦宇宙空間観測所では固体燃料を使用した新型のイプシロンロケットが現在も打ち上げられています。

 

 

種類について

 

お鍋を例にとってみても雪平・寸胴・片手鍋と様々な種類があるように、ロケットも大きさや燃料の種類などでいくつかの種類に分かれるそうです。

 

では、ロケットの種類についても調べてみましょう。

 

大きさと燃料

 

まず分かりやすいところで言うと、大きさと燃料による種類分けがあります。

 

大きさの場合ですと、小型ロケット・中型ロケット・大型ロケットがあります。

先程お話ししたロケットで言いますと、イプシロンロケットが小型、H-Ⅱロケットなどは大型です。

 

さらに使用する燃料の場合ですと、固体燃料・液体燃料があります。

ちなみにイプシロンが固体燃料、H-Ⅱロケットなどは液体燃料です。

 

しかしH-Ⅱロケットなども完全に液体燃料のみというわけではなく、補助ロケットとして固体ロケットブースターという固体燃料を使用した小さなロケットも使用しています。

その他にも単段式や多段式といった形態や、使用目的によっても種類が分かれているそうです。

 

 

ロケットの値段

 

ロケットについてあらかた理解できたところで、気になってくるのがやはりお値段。

あれだけのものを造って打ち上げるのだからそれなりの金額はするだろうとなんとなく想像はつきますが、実際いくらくらいかかるのか気になりますよね。

 

というわけで、ロケットの値段についても調べてみました。

 

ロケット一機は約85~120億

 

ロケット一機あたりの値段は、現在打ち上げられているH-ⅡAロケットで約85~120億円なんだとか。

大型旅客機が180億円くらいなのでロケットの方が安いように見えますが、人工衛星や探査機なんかは別料金ですし旅客機と違い使用できるのも一度きり。やはり、ロケットはかなりお高いもののようです。

 

世界のロケットよりも少しお高め

 

ちなみに世界のロケットのお値段はというと、

 

  • アメリカのファルコン9が、約66億。
  • ロシアのプルトンが、約72~74億。

 

どうやら、世界と比べると日本のロケットは少し割高のようです。

 


まとめ

 

さて、いかがでしたでしょうか。

ここまでロケットについて調べてきましたが、覚えておきたいポイントは二つ。

 

  • ロケットは、推進剤を燃焼させ噴出するガスの反動によって前進する装置および飛行体。
  • ロケットは、荷物を宇宙へ届ける使いきりの宅配トラック。

 

ロケットに関する話題はニュースやネットでよく取り上げられるので、ロケットについて少しでも興味を持っていただけたら幸いです。


また、あくまで当サイトは覚え書きブログなので基本的な情報しか載っていませんが、JAXAなどのHPにより詳しい情報が掲載されていますのでぜひそちらも見てみてください。

 


宙旅こぼれ話『ロケットとミサイル』

 

細長い形であっという間に飛んでいくものとして、他に思いつくものといえばミサイルですよね。

個人的にはあんなものとロケットを一緒にしないでくれと言いたいところですが、ロケットとミサイルの違いって正直よく分からないですよね。

 

ここだけの話、ロケットもミサイルも広い意味では同じ仲間なんだそうです。

 

覚えていますか、ロケットという言葉の意味。

実はロケットという言葉はあくまで『飛ぶ方法』を指す言葉で、ガスを噴射して飛ぶものは総じてロケットと呼ばれるそうなんです。

それぞれの関係性を説明するなら、飛ぶ方法としてのロケットは麺類、宇宙ロケットやミサイルはパスタやマカロニといった具合ですかね。とはいえ、ロケット花火やロケットランチャーのような宇宙に関係ないものにまで“ロケット”という言葉が使われていることについては納得です。


もちろんどちらも細かな違いはあると思いますが、大まかな分け方としてはこんな感じ。

 

  • 人工衛星などが搭載された『宇宙関連のロケット』がいわゆるロケット。
  • 核弾頭が搭載された『軍事用に使用されるロケット』がミサイル。

 

詰まるところ、土台部分はどちらも同じで上に搭載するものによって名称が変わるみたいです。

 


【参考文献】

「ロケット」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書:https://www.weblio.jp/content/ロケット

ロケット/rocket - 語源由来辞典:https://gogen-yurai.jp/rocket/

宇宙開発を支えるロケットがわかる! - JAXAhttps://www.jaxa.jp/projects/pr/brochure/pdf/08/kids_01.pdf

こうのとり」5号機 キャプチャ、結合が完了 | ファン!ファン!JAXA!:https://fanfun.jaxa.jp/topics/detail/5486.html

国産ロケットの系譜|Column|JAXA 宇宙輸送技術部門:https://www.rocket.jaxa.jp/column/knowledge/genealogy.html

ロケットの打ち上げ費用はいくら?宇宙開発にかかるコストとは | お金のカタチ:https://venture-finance.jp/archives/32827

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